藤井蘭々は熱演しているけれど、何故か抜けない 本作は全4チャプターで構成されており、性行為は第1、第3、第4の3回にわたって描かれている。タイトルに掲げられた「馬用排卵誘発剤」「馬並みチンポ」「馬車馬ピストン」といったワードからは、相当激しく乱れる展開が予想される。実際に鑑賞してみると、オフィスを舞台にしたハードな絡みが繰り広げられている。ところが、なぜか抜けない。どうしても興奮しきれないのだ。
本作は一応ドラマ作品として位置づけられているが、そのドラマ性は極めて希薄で、色彩表現も淡白。ただ性行為を連続させるだけの企画作品のように映ってしまった。共演の男優は、タイトルに偽りがないようスタミナ十分な肉体派が起用されているが、この男優、どうもドラマ作品にはあまり適していないように感じられる。これらの要素が抜けなさの原因なのか、はっきりとはわからない。
また、本作は半年のブランクを経て復帰後5作目にあたるが、前4作と同様にキスシーンが極端に少ない。具体的に言えば、チャプター1・2・3ではそれぞれわずか1回ずつ、チャプター4では数回あるものの、カメラアングルの悪さやロングショットばかりで迫力に欠ける。これもまた、満足感が得られない一因になっていると思われる。
昨今のAVではキスシーンが豊富に盛り込まれるのが当たり前になっているが、本作を含むこのシリーズはまさにその流れに逆行している。振り返れば、蜜美杏時代の作品では、長い舌を駆使した濃厚でエロティックなキスが数多く見られた。あれがもう観られないのは本当に残念だ。私が「I am on cloud nine」というタイトルを記す日は、一体いつ訪れるのだろうか。